トルコ4月経済信頼感指数
令和3年5月4日
おはようございます。トルコの4月経済信頼感指数で、サービス・小売業が大幅に悪化しました。1. 3月CPI上昇率市場予想上回る
トルコ統計局が4月5日に発表した3月消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比+16.19%となり、2月の+15.61%から伸び率が加速。市場予想の+16.11%から上振れ。新型コロナ・ウィルスパンデミック(世界的大流行)がピークを過ぎて、経済活動が再開され、景気回復が進んだことが主な要因。
全指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPIは前年比+16.88%と、2月の+16.21%や1月の+15.5%などを上回り、伸びが急加速。
政府が20年9月29日に発表した21-23年の新中期3か年経済計画では、インフレ率の見通しは21年末時点が+8%、22年末時点は+6%、23年末時点は+4.9%と予想。
2. 政策金利を据え置き
一方、トルコ中央銀行は、4月15日に、主要政策金利である1週間物レポ金利を19.00%に据え置くことを決定(図表2参照)。利下げを望むエルドアン大統領が3月下旬に、自らの首相に近いカブジュオール氏を任命。「ハト派」の総裁を据えた後の初の金融政策毛一定会合でしたが、通貨リラの下落により利下げを断念。
カブジュオール氏は、3月20日未明の大統領令により、金融引締めを志向する「タカ派」のアーバル前総裁に代わって就任。アーバル氏は、昨年11月から今年3月までで、1週間物レポ金利を+8.75%ポイント引き上げて、19%としました。
カブジュール氏が総裁に就任すると、リラが急落。その後もリラは安値金で推移しており、4月に入ると、1ドル=8リラ台前半での推移となっていました。
会合後に公表された声明文では、前回にあった「必要があれば追加の引き締め策を行う」との文言が削除され、追加利上げの可能性が遠のいたとの見方が広がりました。リラは対ドルで前日比約▲1%下落。
3. 10-12月期成長率+5.9%
他方、トルコ統計局が3月1日に発表した昨年10-12月期GDP(国内総生産)は、前年同期比+5.9% (図表3参照)。7-9月期の+6.3%から続いて2期連続で増加したものの、市場予想の+6.9%を大きく下回りました。政府の強力な財政支援策により、プラス成長を維持したものの、新型コロナ・ウィルスのパンデミック(世界的大流行)の第2波感染拡大を受けて、20年12月に経済活動を再規制したことが足枷となり、市場の期待を下回りました。
20年通年のGDPは前年比+1.8%と、19年の+0.9%を上回り、18年の同+3.0%以来、2年ぶりの伸び率。IMF(交際通貨基金)が発表した新興国地域の伸び率(平均で▲2.4%)を下回りました。
トルコの20年GDP伸び率の主な内訳は、農業+4.8%、金融・保険業+21.4%、情報・通信業+13.7%と、大幅増加。製造業+2.0%、建設業▲4.3%、サービス業▲4.3%。
4. 4月経済信頼感指数で、サービス・小売業大幅悪化
一方、トルコ統計強が26日発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す4月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業の全体指数が前月比▲2.0%ポイントの103と、3月の同+5.1%から大幅に悪化。
これは、サブ指数である今後3か月間の需要見通し(先行指数)が前月比▲7.2%ポイント低下(前月は+10.1%)の103.6と、急激に悪化したため。過去3か月間の景況感と需要(遅行指数)も同+0.2%(同+1.2%)の103.2、銅+1.4%(同+3.9%)の103.2といずれも悪化。
小売業も同▲5.6%(同+0.2%)の103.1と悪化。サブ指数の今後3か月間の販売水戸市が同▲9.9%(同+3.8%)の104.7、商品在庫も同▲6.8%(同+1.6%)の87.7といずれも大幅な落ち込み。過去3か月間の販売活動も同▲0.4%(同▲4%)の116.8と悪化。
建設業は同▲3.1%(同▲4%)の77.3と、9か月連続で悪化。サブ指数の受注残は同▲1.8%(同▲0.8%)の74.9。今後3か月の雇用見通しは同▲4.3%(同▲6.8%)の79.7と、2か月連続で大きく落ち込みました。
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